詳細を述べていきましょう。

番組の中で、今の日本における社会的費用の高さ(つまり、税金でまかなわれている部分が多いということです)を改めて認識してもらい、できるなら彼らのような能力の高い人にも自発的に負担してもらえないかな、と考えました。例えば新型コロナのワクチン接種は無料です。しかし、日本政府が油田を持っているわけでもないので、当然その費用は誰かが負担しています。これが福祉国家であり、昔に比べれば国や自治体が費用を負担する事柄は、年々増えていると言ってよいでしょう。こういう当たり前の話をそのまま述べても説得力がないので、わかりやすいデータも示そうと思いました。いろいろ探しているうちに、山本一郎氏の「年収890万~920万ないと社会のお荷物なのか」という記事を見つけ、ご本人にも許可をいただいて番組で引用しました。


以下、その引用をした発言の前後の文字起こしを掲載します。




「人が好きなことをやっていると、どうしても、提供されないサービスが世の中に出てくるんです。社会的なサービスにはどうしても、穴が開くんですよ。そうすると、恐ろしい世の中になりますよ。皆さん、思っている以上に、日本社会の恩恵を受けているんですよ。趣味だけで、これだけの道路網が発達するか、国防はどうなのか、警察はどうなのか。」



出演者

「趣味っていうワードが出ましたけど、趣味っていうのはあくまでお金を稼ぐ手段ではないわけじゃないですか。ちゃんと趣味でお金を稼ぐって決意があった上で、すべての国民が空白のスペースに対して、でも俺割とここなら好きなほうの上の段階だし、もっと俺の好きなことでは上の段階の人もいるけど」





「でも稼げないですよ。道路造っても、橋造っても誰もお金払ってくれないですよ。みんなの利益にはなりますが、それに対してみんなお金を払おうとしない社会的サービスが山ほどあります。確かにゴミ袋は有料ですが、ゴミを出しておいてもっていってくれなかったら怒るでしょう。なんでゴミが残っているんだ、って。でも、ゴミ一つ処理するんだって、大きな焼却場が必要です。その費用を、誰がお金出しているのか。そんなものをみんなのために造ろう、造るのが趣味だって言う人は限られますよ。」



出演者

「それはどうして。」





「それは我々が非常に社会的なコストがかかる暮らしに慣れちゃっているからですよ。

そういう社会的コストを考えると、これは、ある人の試算ですけれども、年収で890万から920万ないと足りないと、きつい言葉で、社会のお荷物だって書いている人もいるんですよ。これは、子どもがいるかいないかとか、いろんなことで変わってくる額です。たぶん独身の皆さんはもう少し下がるとは思いますが、我々は、非常に社会的なコストがかかる暮らしを、当たり前のものとして享受することになってしまっているので、今のシステムを維持するのは大変なんですよ。満員電車で運ばれてブーブー言いながら働いて、それで給与明細見て、うわ、また引かれてる、なんでって、辛い思いしながらも頑張って働いている人たちが、この社会を支えている部分って結構大きいんですよ。」

そしてその時の画像がこちら。