見つかってるやん…


 いずれもMLBを代表する精鋭揃いのアメリカ代表との決戦にあって、若干二十歳の高橋は堂々とマウンドに立った。本人は大会後に「足が震えました」と当時の心境を打ち明けたが、それでも並み居る強打者たちを強気の投球で圧倒。とりわけ相手の主砲マイク・トラウトから89マイル(約143.2キロ)のスプリットで奪った空振り三振は、日米の野球ファンや識者たちを熱くさせた。

 竜の若きエースが投じたスプリットを改めて称えたのは、今春のWBCで日本代表を熱心に追い続けていたショーン・スプラドリング記者だ。ツイッター上で「MLBで投げられている球種のうち、スプリッターが使われる割合は2%ほど。(ノーラン・)ライアンでさえ試すのをためらっていた」という投稿を引用したうえで、先述のピッチングを紹介。そして、日本人投手におけるスプリットの重要性と高橋の凄みを論じた。

「日本人投手のスプリッターはもはや芸術の域に達している。事実、侍ジャパンがWBC決勝でチームUSAを見事に翻弄するのに多投された。これはほぼ打てないに等しいんだ。とくにヒロト・タカハシ。20歳の彼のボールは凄まじかった」

 鵜の目鷹の目のメジャースカウトが数多く訪れていたマイアミでの“日米決戦”。文字通りの檜舞台で日本の逸材が見せつけたポテンシャルは、現地識者にとっても色褪せずに、脳裏に焼き付けられている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/4b361efa349fd2912dbb9f8366047ca0971d67f3