2023年10月1日開始のインボイス制度は、経過措置により一定の割合で仕入税額控除が認められているのに、発注事業者が取引先の免税事業者に対し、課税事業者に転換しない場合、消費税相当額を取引価格から引き下げるとなどと一方的に通告をした事例が少なくとも5業種で確認されたとして公正取引委員会が公表しました。独占禁止法違反につながるおそれがあるとして注意を呼び掛けています。

 国税庁の公式サイトによると、適格請求書(インボイス)とは、売り手が買い手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。具体的には、現行の「区分記載請求書」に「登録番号」、「適用税率」及び「消費税額等」の記載が追加された書類やデータのことを指します。

 インボイス制度とは、売り手である登録事業者は、取引相手(課税事業者)から求められたときは、インボイスを交付しなければならない制度のことです。買い手は仕入税額控除の適用を受けるために、原則として、取引相手(売り手)である登録事業者から交付を受けたインボイスの保存が必要となります。

 ただし、免税事業者からの課税仕入れについては、インボイス制度の実施後3年間は、仕入税額相当額の8割、その後の3年間は5割の控除ができる経過措置が設けられています。