まだ育成選手だった12年秋。当時の育成メンバー5、6人で牛丼チェーンに出掛けた。並んで食事していると、1人の携帯が鳴った。まもなく、顔が青ざめた。「おれ、クビだって」。
すぐに別の携帯が鳴った。また青ざめる。さらに別の携帯が。順々に、球団から来季契約を更新しない旨を告げられた。もう牛丼の味などしない。「次は自分の番だ−」。覚悟を決めた。だが西野の携帯だけは、静かなままだった。