──今回の観客審査で1つ画期的なのは、採点の後、アットランダムに選ばれたお客さんが感想を求められるところですよね。

日置:一般のお客さんを集めていろいろなシミュレーションをしたところ、けっこう深い意味もなく1点を付けちゃう人が多いんですよ。

石川:「とても面白かった」が3点、「面白かった」が2点、「面白くなかった」が1点なのですが、いずれも相応のキャリアのある漫才師ばかりなので「面白くない」ということはそうそうないと思うんです。

日置:審査は厳しくていいのですが、芸人さんへの最低限のリスペクトは持っていて欲しい。そこで、「何で1点なんですか」と理由を聞くようにしたら、1点を付ける人がぐっと減ったんです。

──ノックアウトステージの開幕戦だったと思うんですけど、点数の根拠を聞かれて「なんとなく」と発言したお客さんがいました。
そうしたら、日置さんが無線で「もう一度、ちゃんと理由を聞いて」とけっこう強い口調で指示を飛ばしていたんですよね。あのとき、この審査方法の大事なところはお客さんに責任感を持たせるところなんだと思いました。

日置:もちろん、普通のお客さんは「なんとなく」観てくれていいんです。ただし、審査に参加するお客さんは、自分なりの採点基準を持っていてくださいね、ということなんです。
芸人さんも人生をかけていますから。
自分の採点にプライドを持っていないと、応援しているコンビを勝たせたいがために他のコンビにわざと1点と付けたりしてしまうこともありえる。でも、理由を聞かれるかも……と思ったら、それもできないと思うんです。


ちゃんと責任持って点入れさせてるぞ