日本代表の長距離砲・中田翔(23=日本ハム)が、立浪打撃コーチ(43)の指導に苦しんでいる。
中田はWBC本大会前の強化試合(2月下旬)から立浪打撃コーチと一緒に左足を上げる打法からすり足打法に変更。
体が前方に傾く悪癖の修正と、より安定した打撃を目指してきた。

ところが、11日の練習後に中田が切れた。
「今は正直、長打が出る気がしない」と現行フォームに対し不満を漏らし、立浪コーチに元の打撃に戻したいと直訴したのだ。
中田の言い分もわからないではない。昨季は打率.239ながら、リーグ2位の24本塁打。
三振を苦にせず豪快にフルスイングするのが中田の持ち味。
日本代表に選出されたのも、思い切りの良さと長打力を買われてのもの。
本人もその点は自覚している。

一方、宮崎合宿から中田に密着指導する立浪コーチは「安定」重視。中田に対し、ボールを引きつける打撃の徹底を教えてきた。
おかげで、WBC4試合の打率は
.333(15打数5安打)。一定の数字は残しているものの、肝心の本塁打は「ゼロ」。
長打も一本も出ていない。

この現状に中田は苛立ち始めているのだ。
「現役時代からミートを心がけ、安打を量産してきた立浪コーチが、類いまれなパワーを持つ翔(中田)にバットに当たる確率を高めるスイングを教えているから、いつかはぶつかると思っていた。
翔の中には『オレは長距離打者。単打狙いじゃない』という意識も強い。話し合いでお互いの溝を埋めない限り、2人の関係はヤバいです」(球界関係者)