G7首脳宣言、中国対応の共通原則で一致 異例の閉幕前日公表

主要7カ国首脳会議(G7サミット)は20日、首脳宣言を発表した。宣言では、中国に対応するためのG7共通の原則などを盛り込んだほか、核軍縮について「現実的かつ実践的な方法で核兵器のない世界を実現することに関与する」と強調した。サミットは21日に閉幕するが、閉幕前日に首脳宣言を出すのは異例。

中国が軍事的圧力を強める台湾海峡については、「平和と安定が国際社会の繁栄に不可欠」との認識を再確認。「両岸問題の平和的解決」を促し、「一つの中国」政策を含め中台関係に関するG7各国の基本的立場に変更はないとした。東シナ海・南シナ海での海洋進出については「深刻な懸念」を表明した。

 重要物資のサプライチェーン(供給網)でも中国への「過度な依存を低減する」ことで合意。関係を絶つ「デカップリング(切り離し)」ではなく、リスクを減らすよう管理する「デリスク(リスクの軽減)」に基づいて対応する方針を表明した。

 経済安全保障の強化に向け、中国やロシアを念頭に、経済力を背景に貿易などを制限する「経済的威圧」に一致して対抗する方針も表明。「経済的威圧に対する調整プラットフォーム」を設立して対策を急ぐほか、重要物資の供給網強化のため「パートナーとの協力をさらに進める」とした。