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【MLB】大谷翔平と組んだ6日後…記者が遭遇した“降格の瞬間” 荷物運ぶ姿に感じた厳しさ

メジャーリーグの激しい生存競争を感じさせる瞬間だった。オリオールズの本拠地“カムデンヤーズ”の正面入り口前の階段。記者はひとり座ってスマートフォンをいじる男に会った。エンゼルスのクリス・オーキー捕手だった。大谷翔平投手とバッテリーを組んだわずか6日後、向かった先は傘下3Aのソルトレイクだった。

練習が始まる前の午後1時半、正面入口に着くと、階段に座るオーキーの姿があった。ジーンズにシャツという私服姿で、一瞬誰かわからなかったが、そばに置いてあった大きなボストンバックに記されていたエンゼルスのマークと「39」で、記者は全てを察した。

オーキーと目が合うと、右手を挙げて挨拶をしてくれた。悲壮感があるわけでもなく、優しい笑顔だった。記者も返したが、それ以上は何も聞くことはできなかった。

メジャーでは、遠征の際にはスタッフが用具を運ぶ。そのためホテルを経由せずに球場へ運ばれた可能性を教えてくれた。確かにオーキーは大きな荷物を持っていた。ただ、そこでも自分で用具を持って行くメジャーとマイナーの差を痛感したのだった。

 オーキーは到着したタクシーに自らの大きな荷物を詰め込んだ。そのタイミングで、数人のファンがサインをねだり、オーキーも優しく応じた。ただ、ファンの人たちもマイナーへ行くことはわかっていただろう。「行っていいのかな」と一度ためらい、気を遣いながらそっと近づいたように記者には見えた。偶然立ち会った瞬間で、メジャーの厳しさを再確認させられた。