角居勝彦調教師 夏競馬は開催地によって馬を使い分ける
日本の夏は湿度が高くて厳しいものですが、馬にとっては悪いことばかりではありません。冬に硬くなりやすい馬は、汗をかいて筋肉がほぐれ、よく走ります。

馬は人間を含めた動物の中でもっとも大量に汗をかき、大量に水を飲みます(日に30リットル以上!)。つまり水分循環に優れている。栗東の水は美味しいといわれていますが、ウチでは専用の機械を通して水素水を飲ませています。

ゴクゴクと水を飲んで上手に汗をかける馬は熟睡できて、夏バテしません。よくパドックの様子で「発汗が心配」といわれますが、夏に汗をかかない馬はダメです。

夏に強い弱いは性格的なものもあって、牡の大型馬は意外と神経質です。「夏負け」と言って、体温調整ができずに睾丸が腫れ上がったり、目の周囲の毛が抜けたりすることもあります。この時期には水にさらに電解質の成分を入れます。水を飲まない馬にはゼリー状にして食べさせ、輸送中に食欲が落ちる馬には静脈注射をします。


キンタマパンパンになってる馬は夏負けの可能性大やから気を付けるんやで