派手なパフォーマンスではない。ただ、中3週でも2頭併せだった先週に続き、確かな負荷をかけたことが大きな強調材料だ。木村調教師は「先週においても、今朝においてもスペース(余力)のある状態だったのでスタッフと話してやりました」と意図を説明した。
 過去に青葉賞を勝った馬が本番を制したことはないが、この余力こそが「勝てない」のジンクス打破のカギになる。先日、シンボリクリスエス、ゼンノロブロイで同じ青葉賞から本番の臨戦で2着と涙をのんだ藤沢和元調教師に連絡したという。その中で「余力を持ってレースを迎えようとしているのは分かる。自信を持って大丈夫」と伝えられた。その言葉を皐月賞組と戦う勇気に変えたことは容易に推測がつく。
 木村師はイクイノックスで挑戦した昨年が2着。「一生背負っていくもの」と口にするほど悔しさにまみれた。あれから1年。同じキタサンブラックを父に持ち、前走の青葉賞で3連勝を達成した逸材と、再び祭典の舞台へ戻ってきた。「へこたれないで春を迎えられているのが頼もしい」。歴史を変えるだけの下地は整ったとみる。

藤沢の後押しってどうなのよ