【宮本慎也】７連敗ﾔｸﾙﾄ「普通にやれない流れ」で絶好機潰す「凡事徹底」で辛抱強く戦え

連敗中のﾁｰﾑは「普通にやれない流れ」になる。
6連敗中のﾔｸﾙﾄにとって象徴的なｲﾆﾝｸﾞになったのは、1点をﾘｰﾄﾞした6回裏の攻撃だった。先頭打者のｻﾝﾀﾅがﾗｲﾄｵｰﾊﾞｰの二塁打を放ち、打席は3番の山田だった。喉から手が出るぐらいほしい追加点のﾁｬﾝｽ。ここでﾔｸﾙﾄﾍﾞﾝﾁは代走に山崎を送り、勝負をかけた。
しかし山田は初球、やや外寄りの甘いﾁｪﾝｼﾞｱｯﾌﾟを引っ張ってﾚﾌﾄﾌﾗｲ。走者を三塁に進めることはできなかった。結局、後続も続かず、無得点に終わってしまった。
試合の「流れ」はﾔｸﾙﾄに傾きかけていただけに痛かった。阪神は6回表の攻撃で先頭打者の中野がﾋｯﾄで出塁しながら、次打者のﾉｲｼﾞｰのときに走って三振ｹﾞｯﾂｰ。「ﾋﾟﾝﾁの後にﾁｬﾝｽあり」という絶好の場面だった。
連敗中の「焦り」が「普通にやれない流れ」を作ってしまう。代走を送って勝負をかけるなら山田には進塁させるための「進塁打」か「送りﾊﾞﾝﾄ」のｻｲﾝを出すべきだろう。ただ、実績十分の山田に対してｻｲﾝを出しにくいのは理解できる。普通に打たせるのが間違っている訳ではないが、それならばまだ打席の回ってくるｻﾝﾀﾅに代走を送る必要はなかった。
まだ1点をﾘｰﾄﾞしているだけに、この場面で一番嫌なのは中途半端に動いて無得点に終わること。中途半端な「勝負手」は、失敗したときのﾘｸｽが大きい。これは個人的な臆測だが、連敗中でなければｻﾝﾀﾅには代走を送ってなかったと思う。
再び嫌な流れになり、7回表にはﾐｴｾｽに高めのﾎﾞｰﾙ球を同点ﾎｰﾑﾗﾝ。8回表には近本に勝ち越しﾎｰﾑﾗﾝを浴びた。ただ、8回裏2死一、三塁から阪神の2番手・加治屋がまさかのﾎﾞｰｸで同点に追い付いたが、延長10回表2死満塁から大山に押し出し四球を与え、佐藤輝に走者一掃のﾀｲﾑﾘｰ二塁打を打たれてしまった。
連敗は7に伸びたが、こういうときは「凡事徹底」に徹すること。口で言うほど簡単なことではないが、やることやっていれば、必ず「流れ」が変わるﾁｬﾝｽはある。辛抱強く戦ってほしい。（日刊ｽﾎﾟｰﾂ評論家）
https://news.yahoo.co.jp/articles/0fa8011cbb2e97501e31eb3f02a2065668e24cfb

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