台湾「歩行者地獄」返上なるか 人口あたりの交通事故死、日本の6倍

台湾では、車やバイクによる乱暴な運転で歩行者がはねられる事故の多発が、長年にわたり大きな社会問題となっている。歩行者の間には不満が募っており、海外からの観光客が危険な目に遭うことも少なくない。そこで当局は、歩行者が安全に横断歩道を渡ることができるよう、取り締まりの強化に乗り出した。「歩行者地獄」の汚名返上を目指す試みは実を結ぶのか。

 5月9日、台北市中心部の中山区にある交差点で同市交通警察大隊の警察官2人が通行中の白いワゴン車を呼び止めた。事故が起きやすいこの交差点での取り締まり中、右折しようとしたワゴン車が横断歩道を渡っていた歩行者数人の直前を横切ったのだ。運転手に対し、横断歩道では歩行者を優先するよう諭した上で、違反の通知書を手渡した。

 台湾の内政部警政署(警察庁)によると、2022年中の交通事故は37万5632件で前年から4・9%増えた。死者数は3085人(前年比4・2%増)にのぼる

https://mainichi.jp/articles/20230523/k00/00m/030/001000c