ただ、「ナイスゲーム!」とハイタッチを交わすナインをよそに浮かない顔で引き上げたのがこの日も4打数無安打に終わった吉川だった。

風速7メートルを超える強風にあおられたフライも難なく処理するなど随所に好守を見せたものの、4戦連続で音なし。
「もう話すこともないですよ…。野球は打ってナンボ。チームに迷惑を掛けて…」とうつむきがちに帰途に就いた吉川は5月27日の阪神戦(甲子園)の第2打席から15打席連続凡退中。
一時は・257まで回復した打率は・226まで下降した。

悩める正二塁手にチームも手をこまねいているわけではない。試合前の練習では指揮官自らトスを上げて熱血指導。亀井義行打撃コーチ(40)も付きっ切りで打撃向上に躍起になっている。

「尚輝はちょっと長いね。ちょっとずついいものは出てきている。
少しのきっかけでよくなるものなんだけど」と吉川のもどかしさが手に取るように分かる兄貴分コーチは、本拠地東京ドームでは午前中から早出練習に付き合う熱心さだ。

「亀井さんに応えられないのが悔しいっすね」と吉川。勝率5割に復帰したチームに欠かせないピースがもがいている。 
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