TBSの人気番組に出演した名物ラーメン店の主が、怒りの告発である。話を聞けば、放送された番組の名のごとく、かなりの〈イキスギ〉があったようなのだ。

 問題の番組は、先月16日に放送されたTBS系バラエティー番組「イキスギさんについてった」。ディープな店の常連客に密着するというコンセプトを掲げる番組が、「喜多方」「白河」と並ぶ、福島県「三大ラーメン」のひとつと称される郡山市の「郡山ブラック」を大特集。2004年に閉店した同地の人気店「ますや分店」の常連だった男性が、失われた味を探し求め、いくつかの話題店をジャニーズタレントとともに訪ね歩くといった内容だった。

「休日に急きょ呼び出されたり、代わりに撮影をさせられたり…」
 が、

「とにかく、どうしようもない番組スタッフたちによる、まったくのでたらめな取材でした」

 と憤るのは、番組に出演したご当地ラーメン店のひとつで、「郡山ブラック」の元祖「ますや本店」店主・柴原久男氏(68)だ。今はなき「分店」にのれんを分け与えた「本店」の4代目にあたる氏が振り返るには、

「営業中の本店に番組スタッフが突然やって来たのですが、当初はウチのドキュメンタリーだと言って、本当の企画趣旨はおろか番組名すら言わなかった。名刺を出さない人もいました」

 けげんに思ったものの、明治元年に創業した「ますや」の味や歴史を伝えてくれるのならば、と取材に応じ続けたそうだ。

「12日間にわたる取材は延べ約50時間にも及びましたが、彼らはメモも取らず、何度も同じ質問を繰り返すばかり。途中で居眠りすることもある始末でね。私は休日に急きょ呼び出されたこともあったのに、彼らが休みの際には“代わりに店内を撮影してほしい”と頼まれたこともありました」

「創業者の写真が全くの別人」
 そんなずさんな取材ゆえ、放映された内容も目に余るものだったという。

「挙げればキリがないですが、一番ひどいのは『ますや』創業者の曾祖母が番組内で紹介されたシーンで、そこに映る老婆はまったくの別人だったことです。取材スタッフには“創業者の写真はない”とはっきり伝え、資料写真を提供する際に“別人だ”とくぎを刺したのに」

https://news.yahoo.co.jp/articles/867eff6724df853c5cad5de0ae7167933c7e689a