日本のスマートフォンメーカーの衰退に歯止めがかからない。

 5月には富士通の携帯電話事業を引き継いだFCNT(神奈川県大和市)が経営破綻。事業撤退も相次ぐ。性能で米アップルの「iPhone(アイフォーン)」に対抗できず、低価格帯では海外勢に押されており、国産スマホの生き残りは容易ではなさそうだ。

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 調査会社MM総研によると、2022年度の国内スマホ出荷台数は、アップルがシェア50.4%と圧倒。シャープ、ソニー、韓国サムスン電子が続き、FCNTは8.0%で5位だった。

 同社は主力の「arrows(アローズ)」がけん引し、シェアは前年度から0.9ポイント拡大した。しかし、近年は競争激化で安価な端末が増え、収益面で苦戦。5月には京セラが個人用端末からの撤退を表明した。家電メーカーのバルミューダもスマホからの撤退を決め、日本勢の苦境が鮮明になっている。

 アップルやサムスンなどは端末を大量生産して全世界に販売し、コストを抑えている。しかし、国内が主戦場の日本企業は生産規模が小さく、コスト競争力が弱い。低価格帯では中国のOPPO(オッポ)や小米(シャオミ)などの攻勢を受けている。

 6月には米スマホメーカー、オルビックが想定価格2万円台で日本に参入すると発表。日本法人のダニー・アダモポウロス社長は「撤退する他社があるのは、私たちに機会が開かれることでもある」と強気だ。米モトローラ・モビリティ日本法人も7日に新製品を発表し、松原丈太社長は「グローバルなスケールを生かし、魅力的な端末をびっくりする価格で提供する」と意欲を見せた。 

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