【えりも】北海道の日高管内東部沖で大量発生しているオオズワイガニを、えりも漁協(本所・えりも町)が直売店で1匹200円程度で格安販売し、連日完売の盛況が続いている。小ぶりで商品価値は低いが、少しでも漁業者の収入につなげようと「奇策」に出た格好だ。

 オオズワイの大量発生で同管内浦河、様似両町ではカレイの刺し網に絡まるなどして大きな損害が出ている。一方、同管内えりも町ではこの時期に刺し網漁を行う漁業者が少なく、目立った被害は出ていないが、エビやタコのかご漁で大量に混獲されている。小ぶりで単価は安いが、少しでも漁業者の収入につなげようと、同漁協が直売店で販売している。

 販売するオオズワイは、一般的に市場に流通する甲幅8センチ以上のもの。価格は日によって変動するが、9日時点で1匹200円で販売。同漁協によると、千~1500匹用意するが、午前中に完売となる日が続いている。

 直売店でオオズワイ11匹を購入した江別市の会社員河合隆幸さん(33)は「こんなに安くカニが手に入ることはない。家族で食べるのが楽しみ」と話した。同漁協の相内浩営業部長は「甘みがあり、本ズワイと比べて遜色ない味。需要が伸び続け、商品価値が上がることを期待する」と言う。

 ただ、秋からは同町内でもスケソウダラの刺し網漁が始まるため、同漁協はオオズワイの発生状況を注視している。

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