13日、東京ドームで行われた巨人対西武の試合前練習中のことだ。ケージ裏で打撃練習を見守っていた原辰徳監督(64)のもとに、対戦相手である西武の渡辺久信GM(57)があいさつに出向くと、そのまま数分間、神妙な面持ちで話し合う場面があった。さる球界関係者は「もしかしたら原監督に、山川問題の相談に乗ってもらっているんじゃないか?」と言った。

 先月23日に知人女性への強制性交等の疑いで書類送検された西武の主砲・山川穂高(31)のことで、この1カ月間、球団の処分もないまま二軍調整が続いている。選手会は「疑い」の段階で試合に出られないことを問題視している。

 前出の関係者がこう指摘する。

「もちろん西武だって分かっている。チームは借金10で最下位に沈んでいるわけで、試合に出していいなら4番打者として使いたいに決まっている。でも、世論が怖い。コンプライアンスに厳しい本社の意向もあるでしょう。起訴か不起訴かも確定していないので球団から処分も下せない。二軍で塩漬けにするしかないので、はっきり言って手に余る存在。どこかが引き取ってくれればいいんだけど、というのが球団の本音でしょう」

巨人には中田翔という頼もしい“実績”が

  とはいえ、この手の事件を起こした選手を引き入れるには、相当な覚悟が必要だ。

 別の球界OBが言う。

「西武は日本球界で受け入れられるのは原監督しかいないと思っている。2年前、後輩選手への暴力で日本ハムから一、二軍全試合の出場停止処分を科されていた中田翔を無償トレードで獲得。たったの9日で処分が解除となって堂々と一軍の試合で起用した。ファンから非難ごうごうだったが、『一人のプレーヤーとしてこのまま殺しちゃダメだ』と言って、まるで救世主のような態度。ファンの批判なんてどこ吹く風だったし、巨人3年目となった今では、中軸を張る主力として重宝している。もちろん、暴力と強制性交では罪の重さが全然違うが、そんな“実績”が西武には頼もしく映っているのではないか」

 山川は昨季、41本塁打、90打点でパの2冠に輝き、侍ジャパンの一員として3月のWBCに出場した。実績は申し分ない。

「巨人の補強ポイントは投手だけど、首位阪神急追の起爆剤は欲しい。原監督は昨オフ、西武の森(現オリックス)を取り逃がすなどFA補強ができなかったことを嘆いていたようだから日本代表クラスの戦力なら欲しいでしょう。ただ、球団は首を縦に振らないともっぱらです。昨年、主将・坂本の女性問題が世間を騒がせ、球団も火消しに奔走するはめになった。また蒸し返されたくはないでしょうから」(前出のOB)

 今回はハードルが高そうだが、西武は“百戦錬磨”の原監督をアテにしているのかもしれない。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2251880e05cb7500457a36b626355c5c58b61b47