巨人の「大将」がまた一つ金字塔を打ち立てた。

 中田翔内野手は14日のソフトバンク戦(東京ドーム)で史上134人目の通算1500安打を達成した。

 「6番・一塁」で先発出場した中田は3回の左前適時打で1500安打に王手をかけると、7回1死で迎えた第4打席、西武4番手ティノコの158キロツーシームを捉え、二塁手の頭を抜く強烈な中前打を放った。まな弟子の秋広優人から記念のボードを贈られ、東京ドームを訪れた観客から惜しみない拍手が送られた。

 プロ初安打は日本ハム時代の2009年5月23日のヤクルト戦(札幌ドーム)でバレットから。今季でプロ16年目、34歳シーズンでたどり着いた大きな数字。節目の安打に「積み上げてこられたのも監督をはじめ、チームメート、トレーナーさんなど皆さんのおかげです。また、ファンの皆さんの声援があったからこそです」と真摯に感謝の気持ちを示した。

 日本ハムから巨人に移籍して3シーズン目。昨年には複数年契約を結ぶなど、しっかり「チームの顔」として定着しつつある。打撃面ではフォーム改造に着手。「縦振り」といわれる、ボールに対してバットを縦に入れることで体の開きを抑え、コンパクトなスイングで安打を量産している。

 また若手育成手腕も高く評価されている。プロ3年目、ブレイク中の秋広優人には自主トレ期間中の「飯テロ」など体を大きくさせながら、打撃論を説いている。一方で、秋広には中田の意外な「寂しがりや」な一面を暴露されるなど、年齢差はありながら、「師弟漫才」を繰り広げるほのぼのシーンが今シーズン、巨人ファンの楽しみな一つともなっている。

 昨年は不振だった岡本和真に代わって一時は4番を務めるなど、柔軟に与えられた役割をこなすことも首脳陣から評価されており、着々と「幹部候補生」の階段を上がっている。

 今季は右太もも裏の肉離れで一時戦線離脱しながら、スピード復帰を果たした。主砲の岡本和を支える「恐怖の6番打者」は他球団にも脅威の存在。目指すV奪回のためにまだまだ力を尽くすつもりだ。

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