この騎乗停止期間中、競馬に乗れないことが、こんなにも悔しいことなのかと改めて感じました。

週末の調教騎乗後にテレビで競馬を見ていて、本当なら自分が乗る予定だった馬が別のジョッキーで勝った時がありました。それを見てすごく悔しく、つらく、それでもどうすることもできなくて、歯がゆい気持ちになりました。「競馬に乗りたい。競馬に乗れることがこんなにもありがたいことなんだ」。その大切さを再認識しました。

ただ、ふがいなさを実感するだけでは何も変わらないと思います。どうすれば復帰後に勝てるようになれるか。客観的にレースを見て、騎乗姿勢や進路取りなど、自分に足りないものは何か。それを常に考えてきました。そこで見つけた課題にしっかりと向き合い、復帰に向けて準備してきたつもりです。

また、牧場に行って、調教に騎乗させていただいたこともありました。栗東トレセンだけでなく、他にもたくさんの方々のおかげで、競走馬が体調良く、万全の状態でレースを迎えられている。そのありがたさを肌で感じました。1頭1頭の馬に、それぞれたくさんの人が携わっておられます。騎手として、その方々への最大の恩返しはいい結果を出すことだと思います。少しでもいいレースをして、そして勝ちたいです。

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