フランス西部で16日夜から17日朝にかけて地震が相次ぎ、多くの建物が破損した。フランスで強い地震が起きるのは異例。北西レンヌから南西ボルドーまで、広い地域で揺れが感じられた。

フランス中央地震局(BCSF)によると、16日夜の地震の規模はマグニチュード(M)5.8。17日朝には余震と思われる2回の揺れがあり、規模はM5.1とM3.7だった。

フランスで前回M5を超える規模の地震が起きたのは、2019年11月だった。

ボルドーの北にある西岸シャラント・マリティーム県での被害が特に大きかった。県内のラ・レイニュでは民家や学校、教会などが揺れで破損。数百軒の建物が、中に人がいるには危険な状態と判定され、約170人が避難した

ラ・レイニュでは、ディディエ・マルカイリョウ消防本部長が、町の教会は「完全に使用不能」になったと話した。シャラント・マリティーム県のニコラ・バスリエ知事は、ラ・レイニュの中心部に建つほとんどの家屋が影響を受けたとして、「念のため学校を閉鎖しなくてはならない」と述べた。

クリスティーヌという名前の女性は泣きながら地元放送局BFMTVに対して、自宅にはもう住めないと話した。「誰もこんな目に遭ってほしくない」、「息子の部屋では壁にひびが入って、その隙間に手が丸ごと入ってしまう」と、クリスティーヌさんは述べた。

シャラント・マリティーム県の北東に隣接するドゥー・セーヴル県でも、多くの建物が被害を受けた。複数のフランス・メディアによると、2人が負傷したという。

エリザベット・ボルヌ首相は、今回の地震は「珍しい」ことだと述べ、「不安を抱えているかもしれない」人への支援を表明。「もちろん全員が、新しい家に住めるよう保証する」と述べた。

ジェラール・ダルマナン内務相は、建物の破損状況を素早く把握するため、政府は自然災害による被災認定手続きを加速させると話した。

https://news.yahoo.co.jp/articles/00b9d10b3aa4fc2bf9d960d81da041f2015bd4e2