斉藤由貴強くて草

 斉藤由貴(56)は自分が独身だった1991年、既婚者の故・尾崎豊さんとの不倫を伝えられ、1993年には川崎麻世(60)、2017年には医師とのダブル不倫が報じられた。しかし、謹慎は短期間で済み、第一線で女優を続けている。

 広末も斉藤と同じく、簡単に復帰すると考える向きもあるが、そうはいかないだろう。前述した通り、問題は世間の大半が許すかどうかにかかっているからだ。

 まず、斉藤は家族のことなんて滅多に口にしない。だから、少なくとも世間にウソを吐いたという印象は与えなかった。

 世間への謝罪や説明の仕方も、斉藤と広末は異なる。尾崎さんとの不倫が発覚した時、斉藤はフジテレビ前で会見を行った。尾崎さんとの関係を問われた斉藤は、「同志」と答えた。学生運動家や革新政党の党員ではあるまいしと、会見に参加していた筆者は面食らった。

 一方で「友人」などと誤魔化すことはなかった。取材陣は「同志」という言葉によってけむに巻かれ、会見は短時間で終わった。

 この会見の世間の受け止め方は概ね好意的だった。斉藤の言葉の選び方がうまかった。取材陣の反応などどうでも良く、カギを握るのは世間だ。そのため、斉藤の会見は成功した。

 川崎との場合では、手をつないでいる写真を撮られた。この際の会見で斉藤は「好意があるから、手をつなぐ的なことがあるんだと思います」などと語り、川崎に特別な感情があることを認めた。もっとも、ゆるい言葉が続いたので、この時も取材陣ははぐらかされ、世間からも大きな反感を買わなかった。

 さしずめ斉藤は釈明の女王。どこまで意識しているかは分からないが、取材陣も世間をも“斉藤ワールド”に引き込む。自分を許すムードをつくり上げる。広末と違い、アンチが見当たらないことも大きい。