2023年7月14日(金)に公開されるスタジオジブリの最新作『君たちはどう生きるか』は、宮崎駿監督の10年ぶりの長編アニメーション作品です。ただそのプロモーションは、今のところポスター1枚が発表されているのみで、具体的な内容は公開1カ月前を過ぎた今でも、一切明かされていません。

 しかし、熱心なジブリファンの間では、とある一冊の文学作品が元ネタになっているのではないかと噂されています。今回はそんな推測をもとに、『君たちはどう生きるか』の内容を予想します。

 まず、あくまで推測の域は出ないものの、『君たちはどう生きるか』はジョン・コナリー氏のファンタジー小説『失われたものたちの本』(2006年発表)が元ネタである可能性が高いと言われています。同書は宮崎監督が三鷹の森ジブリ美術館の図書室でおすすめしていた本で、2021年に同作が東京創元社より文庫化された際の帯の推薦文にも、「ぼくをしあわせにしてくれた本です。出会えてほんとうに良かったと思ってます」と絶賛のコメントを寄せていました。

 さらに2017年に刊行された『ジブリの文学』(著・鈴木敏夫)のあとがきには、アイルランド人の作家が書いた児童文学に宮崎監督が刺激を受け、オリジナル長編映画企画が進行している……といった内容が綴られています。

 当時はまだ『君たちはどう生きるか』の制作は発表されていないので、ここで言うオリジナル長編映画企画が何を指しているのかは定かでありません。しかし同書には「エヴァンゲリオン」シリーズを手がけた本田雄氏が作画監督を務めるとも書かれており、2023年6月16日に発売された『スタジオジブリ物語』(責任編集・鈴木敏夫)においては「(君たちはどう生きるかの)作画監督に本田雄を起用」と明記されています。

 そして『失われたものたちの本』の作者、ジョン・コナリー氏はアイルランド出身の作家です。このことから『ジブリの文学』のあとがきで触れていた企画と『君たちはどう生きるか』が同一であり、最新作の元ネタが『失われたものたちの本』である可能性は高いと考えられるでしょう。