ロシア配備の核兵器、ベラルーシ大統領「我々の兵器だ。我々が使う」…露との合意に矛盾
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 ベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領は27日の式典で、ロシアがベラルーシへの配備開始を表明した戦術核兵器を巡り、「我々の兵器だ。我々が使う」と述べた。自国が必要だと判断すれば使用を辞さない姿勢を強調し、独自使用を念頭に置いた準備を国防相らに指示したことも明らかにした。

 ルカシェンコ氏は、露民間軍事会社「ワグネル」の創設者エフゲニー・プリゴジン氏による反乱の収拾に仲介役として貢献したことで、プーチン露大統領に強気な態度を見せ始めた可能性がある。核兵器の安全管理を巡る新たな懸念材料となる。

 ロシア、ベラルーシ両国の国防相は5月下旬、ベラルーシに配備する戦術核はロシアが管理と使用を判断する権利を持つことを確認する合意文書を交わしており、ルカシェンコ氏の発言は合意と矛盾する。

 戦術核の配備状況について、ルカシェンコ氏は「大部分はベラルーシ国内に搬入されている」と主張した。プーチン氏は今月16日、戦術核の配備が始まったことを明らかにした上で「夏の終わりか年末までに作業は完了する」と述べていた。

 ルカシェンコ氏はワグネルの戦闘員を受け入れることで、近隣国を揺さぶるカードを得たとの見方が出ている。ルカシェンコ氏はワグネルの部隊に「使われていない軍の施設を提供できる」と述べた。ワグネルにベラルーシ兵を訓練してもらうという。