水資源保護団体プレバ(PREVA)の責任者、シルビー・ドラルジエール(Sylvie de Larouziere)氏は、工場を指さし、「拡大を続けているように見える」と語った。

 17世紀に造られたマスの養殖場を経営しているドラルジエール氏は、養殖池に水を供給していた小川が突然干上がったとして、ダノンを相手取り提訴した。

 ボルビックが位置するピュイドドーム(Puy de Dome)県は、フランスの「給水塔」とも呼ばれ、豊富な降水量で知られる。ところが今年5月初旬、水源からの取水量が急減。そのため当局は31地区を対象に、屋外での水道使用を制限したほか、プールの貯水を禁止した。

 ボルビックの公共の噴水も止められ、村民は、今夏は給水制限が導入されるのではないかと懸念している。

 潤沢な水資源を誇っていた地での供給制限は、国全体での水不足問題や、水を求めての競争の激化を浮き彫りにしている。

 クリストフ・ベシュ(Christophe Bechu)環境・国土結束相は6月14日、国内の3分の2の地域で地下水面が通常よりも低下しているとし、「非常に懸念している」と述べた。

 フランスの巨大なミネラルウオーター業界の将来にも、疑問が投げ掛けられている。