プールで女子大生溺死、遺族が1億5000万円賠償求め提訴…ホテル側の安全対策不備を主張

 鹿児島県指宿市のホテルのプールで昨年7月、福岡県内の女子大生(当時21歳)が溺れて死亡した事故で、安全管理措置を講じていなかったとして、女子大生の遺族がホテルや代表取締役らに約1億5000万円の損害賠償を求め、福岡地裁に提訴したことがわかった。提訴は5月19日付。

 鹿児島県警指宿署によると、昨年7月24日午後、「指宿シーサイドホテル」内のプールで泳いでいた女子大生が溺れ、宿泊客の男性が引き上げたが、搬送先の病院で死亡が確認された。家族と訪れていた女子大生は妹と一緒に泳いでいたが、プールの最深部(約2メートル)で溺れかけた妹を助けようとして溺れたという。妹は自力でプールサイドに泳ぎ着いた。監視員はいなかった。

 遺族側は訴状で、水深1・3メートルから同2メートルに急な傾斜で変化するプールの構造を挙げ、「通常のプールより極めて危険性が高かったにもかかわらず、安全対策は水深を表示した小さな標識を設置する程度だった」と主張。利用者への注意喚起が不十分で監視員の配置などもせず、未然防止や事故に備えた体制整備の義務を怠ったと訴えている。

 ホテルの担当者は「訴状が届いておらず、コメントは差し控える」としている。