1974年5月3日、大阪・中之島のフェスティバルホールで、「フォーリーブス・郷ひろみジョイントリサイタル」が行われていた。

 当時13歳だった大阪在住のK氏はその前日、ジャニー喜多川氏に大阪グランドホテルの7階のスイートルームに呼び出された。

 フォーリーブスのファンだった姉が送った履歴書がジャニー氏の目に留まり、前年暮れに一度会っていた。2度目の“面接”に母と姉との3人で臨むと、K氏に、

「泊まっていきなよ」

 とジャニー氏は声をかけ、母と姉は帰っていった。

 その後、ジャニー氏に隣の部屋に連れて行かれたK氏。円卓には一人カレーライスを食べる郷ひろみと、ジャニー氏の姉のメリー喜多川氏、メリー氏の娘でまだ幼い藤島ジュリー景子氏が座っていたという。

 郷という憧れのスターとの邂逅に舞い上がったK氏は、その後、別のベッドルームに連れて行かれた。

「遅いから、寝なよ」

 そう言われ、洋服のままベッドに横たわると、ジャニー氏も横に寝た。戸惑うK氏の身体を左手で撫でると、こう言った。「脱ぎなよ」。

 上半身だけ裸になると、ジャニー氏は続けて、

「暑いだろう。ズボンも脱ぎなよ」

 パンツ一枚になると、仰向けの状態でジャニー氏の左手は太ももを撫でまわし、徐々に上がっていった。

「え? と。何も言えない状態で固まってしまった。そこから局部に手が伸びたんです。下着の上から。それをつかんで、撫でるっていうんですか、ずっと。何分経ったかわからないけど、スッと起き上がって、無言で出て行ったんですよ」

 翌日、会場でK氏はジャニー氏から2000円を渡されたという。その後、一人で放置されたため帰宅すると、1週間後、ジャニー氏から電話があった。「なんで帰ったの?」。冷たい声だった。その後、連絡はこなかった。

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