瀬名は合戦が嫌いやから…


そこで築山殿(瀬名)は驚くべきファンタジーを語った。

「ひとつの夢を描くようになりました」と話しはじめた築山殿は、「私たちはなぜ戦をするのでありましょう」と家康に問う。家康は「わしは生まれたときから、この世は戦だらけじゃ。考えたこともない」と返答し「戦をするのは貧しいからじゃ。民が苦しめば、隣国から奪い合うしかない」と追加する。

これに対し、築山殿は「もらえばようございます」と訴えたのだ。「奪い合うのではなく与え合うのです。さすれば戦は起きません」と。隣国同士で足りないものを補い合う。そのために共通の通貨による経済圏をつくり、武力ではなく慈愛の心で結びつくのだという。