東海道新幹線の現役運転士が「年次有給休暇を希望通り取れなかった」として、JR東海に損害賠償を求めた裁判で、大阪地裁は6日、「会社の判断を違法とは認められない」として原告の訴えを退けました。

 訴状によりますと、原告のJR東海に勤務する運転士は、2年間で128回、日付を指定して年次有給休暇を申請しましたが、このうち95回は会社の都合で希望通りに取得できず、期限を過ぎたことにより7日間分の取得権利を失ったということです。

 原告側は、「労働基準法で会社は労働者の希望する日に年休を与えなくてはならないにもかかわらず、会社側は『事業の正常な運営を妨げる場合にあたり、取得日を変更できる』として、希望通りに休みを取ることはできなかった」と主張しています。

 運転士は、2017年、申し込んだ年休を拒否され続けたうえ、年休を取得する権利が時効によって失効したことに対する損害賠償として、会社に対し40万円の支払いを求める裁判を起こしました。

 6日の判決で大阪地裁は、「会社が恒常的な人員不足を理由に時季変更権を行使したとは認められず、ほかの人も含め、期限が近い年次有給休暇から優先して振り分けていた。調整のために5日前になって、会社が変更することも不合理とまでは言えない」として、原告の訴えを退けました。

 同様の裁判は東京でも起こされ、東京地裁は3月、JR東海に対し、現役の運転士ら6人にあわせて54万円の支払いを命じる判決を言い渡し会社側が控訴しています。

有給休暇の取得権を巡り、判断が分かれる形となりました。

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