黒人系の選手は、スポーツに最適な筋肉のつき方をしている。

どのような筋肉のつき方かと言うと、お尻やハムストリング(もも裏)、背中、お腹といった、体幹に近い部分の筋肉が大きく発達しており、ふくらはぎや前腕といった、体の中心からは遠い抹消の部分の筋肉はスマートになっている。

ボールを投げたり蹴ったり、走ったり飛んだりする動作はスポーツでは基本となる動作だが、こうした動作を行うためにはまず体の中心にあるお腹や背中の筋肉を使い、肩や股関節を動かす。続いて肘や膝の関節が働き最後に手首や足首といった関節を動かすことで様々な動作を行っている。

腕やふくらはぎなど抹消の部分に過剰な筋肉が付いていると体を動かすのに無駄なパワーが必要となる。また、中枢の筋肉が発達していないと大きなパワーを発揮することができない。

黒人系の選手は中枢の筋肉が発達しており抹消の筋肉が必要最低限、理想的な量で付きやすいので、効率的にパワーを発揮できる筋肉の付き方になりやすいのだ。 陸上短距離で世界新記録を保持しているボルト選手を見てみると、非常に分かりやすい。

お尻やハムストリングが特に発達しており、太ももの筋肉も発達しているのが分かる。それに比べふくらはぎの筋肉はスマートな筋肉の付き方で、足首は細くなっている。体から遠い部分に重りがついていると余分な力が必要なので、その重りを極力なくした結果が反映されている。

また上半身は、肩の筋肉が特に発達しており、肘を曲げ伸ばしする上腕二頭筋、上腕三頭筋も発達している。それに比べ前腕の筋群はふくらはぎと同じくスマートにまとまっている。短距離では腕の振りも重要なので、腕を振るのに必要な、中心に近い肩の筋肉が大きく発達していることが分かる。