0001それでも動く名無し
2023/07/14(金) 12:31:07.73ID:i8CMI2kTM前日の雨で継続試合。30度を超える蒸し暑さの中、1点を争う熱戦が続いた。翔陽が3-6で迎えた九回の攻撃。マウンド上で八代のエース中野智大投手が、顔をゆがめた。脚がつっており、何度も伸ばした。
八代ベンチからも水分が届けられた。ただ、それで守備のタイムを取り終えたと考え、マウンドに駆け寄れずにいた。
翔陽ベンチの高群柊主将もライバルの異変に気付いた。高群主将は「相手エースにしっかり投げてもらった上で、勝ちたい」とベンチにあった経口補水液を手に取った。マウンドに向かおうとすると、直前に交代でベンチに下がっていた岩根涼河投手が「俺が持って行く」とマウンドに駆け寄り、苦しむ中野投手にペットボトルを差し出した。
「同じ投手。絶対にマウンドを降りたくない気持ちは分かる。正々堂々と勝負したかった」と岩根投手。翔陽は2連続二塁打で2点を返し、1点差に迫った。
投げるたびに屈伸をくり返す八代の中野投手の姿に、岩根投手は再びマウンドへ。「大丈夫? これを飲んで」と、再びペットボトルを手渡した。
中野投手は翔陽の最後の打者を気力で三振に打ち取った。「トーナメントの一発勝負で自分にはできない行動だった。(岩根投手の)おかげで最後まで投げ切れた」と感謝した。
試合後の整列で高群主将は八代の選手に「絶対に勝てよ」とエールを送り、グータッチをかわした。八代の湯澤勇貴監督は「試合には勝ったが、翔陽さんの行動には負けた。素晴らしい人間性があるチームだった」と、スポーツマンシップに賛辞を贈った。
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