引退宣言撤回してまで作りたかったものがこれなんか?
そして鈴木も鈴木でなんでOK出したんだ

7年前、鈴木さんに今作の企画書を持ってきて、「20分の絵コンテを描くから、良いかどうかを判断してほしい」と告げたといいます。

そして約5か月後、絵コンテを描き上げました。

「宮崎駿は大事なものを僕に渡す時に決まったルールがあるんです。毎回金曜日。つまり僕に、週末に考えるいとまを与えるんですよ。でも絵コンテ、読みたくないですよね(笑)僕だって、宮崎駿に捧げた青春というのがある。彼が引退したら取り戻そうと思っていたのに、また奪おうっていうことでしょう」
鈴木さんは悩みながらも、その内容と監督の熱意に突き動かされていったと振り返りました。

「日曜日の夜にようやく読んだら、結構面白いんですよ。夜12時を回ってからもう一回読んでみたら、やっぱり面白い。でも悩んだ結果、心を鬼にして、“つまんない”って言おうと決めました。大体、企画書を出されたときに、僕は『名作を生み出した多くの映画監督が、最後にもう一度と作った映画に成功は1本もないですよ』と言っているんです」

「そんなことを思い出しながら会社に向かう車で一生懸命“つまんないです”の言い方の練習をして、心を強くして彼のアトリエに向かう。今日はだまされちゃだめだ。俺の青春を取り戻さなきゃいけないんだ!って。そして彼のアトリエのドアを開けようとしたら、向こうから開いたんですよ」

「待ってたんですよ!そしてひと言、『コーヒー飲む?』って。ミヤさんがコーヒーをいれている間、『コーヒー飲む?』って言葉を翻訳しちゃったんです。『どうしても作りたい。失敗するかもしれないけれど、機会を与えてほしい。そして手伝ってほしい』ってね。そしてミヤさんがコーヒーを持って現れて、僕の前に置いた瞬間。僕は『やりますか』って言ったんです」

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230706/k10014119971000.html