>>306
誤解やぞ

港区汐留にある『ソフトバンクグループ』本社26階の大会議室は、異様な緊張感に包まれた。
ブン、ブン…。黙って話を聞いていた孫正義が徐に席を立つと、木製バットを無言で振り回し始めた。
大スクリーンの前では小沢がプレゼン中。孫のバットは、その直ぐ隣でうなりを上げる。
「俺、どうなるの?」。小沢は呆気に取られたが、気を取り直して話を続けた。
すると、今度は孫が竹刀に持ち替えて迫ってきた。怯む小沢。
孫はお構いなしに、その場で上段の構えから素振りを始めた。

実は、大きな決断を迫られ、熟慮する際にバットや竹刀を振るのは、孫の若い頃からの習慣
なのだが、当然、小沢は知らない。