>>1
>>2
● 真実は現場にしかない

 応接室に通されてお茶を飲んだところで、「どうしたら業績が上がるか」はわからない。会社をよくする情報は「現場」にしかありません。

 株式会社低温(低温商品の物流/奈良県)の川村信幸社長は、かつて、現場を知らない「アナグマ(穴熊)社長」でした。
アナグマ社長とは、会社ばかりにいて、外に出ない社長のことです。

 この会社は、冷凍チルド食品の配送、青果物、水産物の配送などが主な仕事です。

 「約50」ある配送ルート(奈良県中心)を社員と外注を使って網羅していたのですが、私は、あることに気がつきました。

 それは、
「外注先が受け持っているルートと、低温の社員が回っているルートを入れ替えたほうがいいのではないか」ということです。

 低温の社員は「距離の長いルート」を受け持っていたため、残業が増えていました。
 そこで、外注費用と社員に支払う残業代を比較してみたところ、「残業代のほうが高い」ことがわかった。

 仕事の効率を考えて発注した「外注」が、じつは「害虫」になって、お金を食い散らかしていたのです。

 私は、「かばん持ち」をしていた川村社長に「ルートの入れ替え」を提案しました。ルートを入れ替えた結果、どうなったと思いますか? 

 毎月「250万円」の純利益が出たのです。
 私は常に現実・現場の目線で考え、経営判断を下すように心がけています。自分自身が見聞きしたこと、体験したことによってのみ考える、と言ってもいい。

 なぜなら、「真実は現場にしかない」からです。