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ヒエッ…


序ノ口デビューから13場所連続で勝ち越し、破竹の勢いで駆け上がっていった。初めて上位と総当たりする前頭3枚目まで番付を上げた令和元年秋場所も7勝8敗と健闘した。

翌九州場所で暗転した。2日目に琴勇輝に押し出され、土俵下に右脚から落ちた。体重180キロの巨漢。自身の重みが右膝にのしかかった。倒れたまま動けなくなり、苦悶(くもん)の表情で車いすで運ばれていった。

診察の結果、大腿(だいたい)骨は砕け、膝の皿も損傷していた。多くの靭帯(じんたい)や筋肉も切れ、右脚は皮膚と内即靱帯と血管だけがつながっている状態。「もう無理だな」。力士生命は終わったと思った。