6―6でタイブレークに入った延長十回。後攻の聖光学院は4点を勝ち越され、斎藤智也監督もさすがに弱気の思いが胸をよぎった。
 「万事休すなのかなと覚悟はした。4点目が入った時、このまま終わっちゃう、と。4点は重い。あとは打たせるしかない」
 選手たちは冷静に受け止めていた。
 主将の高中一樹は選手たちに呼びかけた。
 「また、試されているな」


選手のメンタルが幼稚園児と戦争孤児の差やったな