中古車販売大手ビッグモーター(東京)が、上司のパワーハラスメントや残業代の未払いがあったとして、岐阜県内店舗の元店長から約2千万円の支払いを求めて岐阜地裁に訴えられていたことが25日、分かった。元店長の男性=当時(29)=は提訴後の昨年9月に事故で亡くなり、男性の家族が裁判を引き継いでいる。現在も係争中。

 男性の代理人弁護士によると、男性は2017年、同社に入社し、19年から解雇される21年6月まで約2年間、店長を務めた。店長就任時から、営業成績改善に関して上司からLINE(ライン)を通じて、他店舗の店長などが閲覧できる状態で「会話すら成立しないなら店長下りろタコが」「納得できない返答や抽象的な内容は、まともな内容になる迄(まで)何時迄でもやり直しさせます」などの暴言を書き込まれたほか、一定の成果が出るまで残業を強要させられたりした。男性はうつ病を発症した。

 男性は、昨年2月に労働審判を申し立てたが不調に終わったため、同8月に訴訟へ移行した。男性は勤務の実態から週1日の休みを除き、1日10時間程度の労働時間があり、19年7月~21年6月の期間で約1800万円の未払い残業代があったと主張している。原告の代理人弁護士によると、会社側はパワハラについては指導の一環で言葉が強くなったと否定、残業代については店長が管理監督者に当たるとして支払いを拒否しているという。

 同社の代理人の弁護士事務所は本紙の取材に「内容については裁判で主張しており、それ以外の回答は差し控える」としている。
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