話がめちゃめちゃキモくて「当時のラノベ、こんなにキモかったっけ?」ってビックリしてしまった。どのエピソードも「可愛い女の子がいじめられる→いじめてるやつをぶっ倒す」みたいな話だ。
父親との関係を扱うエンジェル・フォールの一件は例外として、登場人物だけを入れ替えた同じ話が無限に続く。
クローンとか共同幻想とか一見すると「何か深そうなモチーフ」を扱っているように見えて、その実「自信の持てない女の子」を無限供給するためのネタを仕込んでいるに過ぎない。

特に上条当麻が本当にキモく、普段は敬語を使ったり腰が低かったりと弱者のフリをしている癖に、ヒロインを助ける肝心なシーンでは浅薄なヒューマニティを振りかざして説教を行う父権的な存在に変貌する。
この作品がセカイ系と言われているところはあまり見ないが、この手の気持ち悪さは明らかにセカイ系から引き継いで煮詰めたものだろう。
当時こういうものがカッコイイとされていた風潮は今の異世界転生から見ると明らかに時代遅れで、「たった一人の女の子を守るヒーロー」的なラノベ主人公像って本当に一過性のブームだったんだなと思った