ベールに包まれていた実力は本物だった。アメリカからの「逆輸入」でドラフト3位入団した加藤豪将。3月中旬に右腹斜筋肉離れで戦線離脱し、開幕一軍入りは叶わなかったが、5月25日のソフトバンク戦で来日デビューすると、その活躍は目覚ましい。

指揮官の強い希望でドラフト指名
 1994年生まれの28歳。米国で生まれ育ち、18歳のときにヤンキースからドラフト2巡目(全体66番目)で指名された。将来を嘱望されたが、メジャーで活躍できる選手は一握りの厳しい世界だ。ヤンキースでメジャー昇格はならず、マーリンズ、パドレスを渡り歩き、プロ10年目の昨年ブルージェイズでメジャーデビュー。8試合出場で打率.143の結果だった。その後、メッツに移籍してメジャー昇格したが出場機会がなく、3Aに降格。逆境の時間のほうが長かったかもしれない。この加藤豪に熱視線を送っていたのが、新庄監督だった。

 指揮官の強い希望によりドラフト3位で指名。昨年11月に入団会見に同席した際は、「僕も(現役時代に)マイナー・リーグで経験をしてきたんですけど、移動の距離とかハングリー精神の塊。10年間マイナー・リーグの生活をしてきた加藤君を本当にすごいなと。つらい思いをしてきた選手はかなり伸びると思う」と評価。「映像でずっとチェックしていた加藤君を目の前にしたときに、素直にでかいなと。バッティングフォームがちょっと小さめに構える選手なので、小さいかなと思ったんですけど、意外とでかくて、大きいのを打てるバッターという期待感がある」と語っていた。

 目標は新球場のエスコンフィールドで世界一の球場にすること。大きな野望を持ち、新庄野球の申し子になる。