「こんな投手見たことない!」
 こんな試合もあった。5月11日(同)、敵地・ヤンキースタジアムで行われたヤンキース戦で、藤浪は3番手として5回途中から登板したが、この時点でのスコアは「2対11」。完全な“敗戦処理”役だったが、5番・ラメーヒュー(34)に投じた初球が頭部スレスレのところを通過し、バックネットを直撃した。味方捕手も捕れないほどの大暴投だった。
大ブーイングが鳴り止まぬ中で藤浪が投げたボールがなんとデッドボールだった。

「ヤンキースタジアムのファンがざわつきました。ワンサイドゲームで淡々としていたのが、一瞬で緊迫したスリリングな試合に変わったのです。負け試合なのにこれだけ雰囲気を変えてしまう投手はメジャーの長い歴代でも見たことがありません。」