4月に行われた小6と中3が対象の全国学力・学習状況調査の結果を、文部科学省が公表した。小6の算数では、図形の構成要素に着目して考える問題などに課題がみられたという。中3の数学も合わせ、子どもの学力の現状や今後の授業のあり方について清水美憲・筑波大教授(数学教育学)に聞いた。

小6の算数で、幅の等しいテープを直線で切ってつくった二つの三角形の面積についての問題の正答率が21・1%にとどまった。テープの幅がそのまま二つの三角形の高さになり、底辺も等しいため「面積は等しい」というのが正解だが、「高さが書かれていないため比べられない」とする誤答が16・8%を占めた。正答を選択するだけでなく、理由を記述させるという意味で手順の多い出題であるとはいえ、基本的な問題で、正答率がここまで低いのは衝撃的だった。

テープを二つ折りの三角形に切り取り、広げて新たな三角形をつくる問題では、正三角形をつくる際に切り取る時の角度を何度にすればいいかという問題で、「60度」という誤答が33・2%と3人に1人に上ったのも驚きだ。二つ折りを広げて60度にするため、正解は半分の「30度」だが、正答率は25・3%と、誤答である「60度」の割合を下回った。

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