2021年6月、千葉県の会社員男性(30)は、県内の同社店舗を訪れた。交通事故の相手方への賠償請求額を決めるため、追突されて後部が壊れた愛車の価格相場を知りたかったからだ。「車を買ってくれるなら見積もりしますよ」。購入の意思はないと何度伝えても、対応した営業マンは執拗(しつよう)に買い替えを勧めてきた。

 男性は根負けし、「ローンの仮審査」との説明を信じて「仮ですよ」と念押しした上で書類に記入した。だが、店を出た後に信販会社から連絡があり、本契約を結ばされていたことがわかった。すぐに契約を解除し、ビッグモーターに苦情電話を入れた。

 「この野郎」「お前なんか客じゃねえ」……。車で帰宅すると、待ち構えていた営業マンが車の窓ガラスに顔をべったりと付け、汚い言葉を浴びせてきた。暴言は約2時間にわたり、通報で警察官も駆けつけた。