https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-04/RYVJ3JDWLU6801

完全リモートワーク、生産性でオフィス勤務に18%劣る-米大学の研究

リモートワークとオフィス勤務の価値をめぐる激しい論争に新たな弾みがついた。マサチューセッツ工科大学(MIT)とカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)の研究によると、無作為に完全在宅勤務を割り当てられた労働者の生産性は、オフィス勤務の労働者より18%低いことが明らかになった。

  インドで新規採用されたデータ入力職員を在宅勤務とオフィス勤務のいずれかに無作為に割り振ったところ、生産性低下の3分の2は勤務初日から明らかになったという。残りの差は時間の経過とともに現れ、オフィスで働く労働者の方が完全リモートの労働者よりも早く仕事を覚えた。

  驚くべきことに、在宅勤務を希望するリモートワーカーは、オフィス勤務を希望する職員よりも生産性が低かった。

  リポートを執筆した研究者らはこの調査結果が規範を示すものではないというが、コロナ禍で在宅勤務が主流になって以来、役員室や社内チャット、学界で繰り広げられてきた議論に油を注ぐ材料となった。「リモートワークは機能しない」と述べたJPモルガン・チェースのジェイミー・ダイモン最高経営責任者(CEO)を支持するのか、あるいはエアビーアンドビーのブライアン・チェスキーCEOが提唱する柔軟な働き方を支持するのかにかかわらず、互いに対立する両陣営はいずれも自分たちの見解を裏付ける調査リポートを引用することができる。