別班ヤバすぎやろ


別班員になるためには、陸上自衛隊小平学校(現・情報学校)の心理戦防護課程という、特殊な教育・訓練をするコースを修了する必要がある(このコースは、謀略・諜報・宣伝・防諜といった、いわゆる「秘密戦」に従事する特務機関員や情報将校を養成するための教育訓練機関として設置された、旧陸軍中野学校の流れをくんでいる)。

心理戦防護課程に入るための面接試験では、「休憩時間に行ったトイレのタイルの色を言え」と尋ねられたり、大陸の形だけが描かれた世界地図を示して「X国の位置を示せ」といった質問がされるという(いずれの問いも、中野学校の入試問題と酷似している)。


同課程を首席で修了した者のうち、一定の基準に達した人しか名を連ねることができないほどのエリート集団=別班には、厳しい掟があるともいう。いわく、出身校の同窓会や同期会には出席するな、友人と呑むな、年賀状は出すな、近所付き合いも禁止、自宅には表札を出すな、通勤ルートは毎日変えろ……。

外部との接触を完全に断つよう要求される別班員たちは、ものすごいプレッシャーを受けており、班員の半数ぐらいは、精神的に、あるいは社会的に適応できず、“壊れて”しまったという。誰にも言えない、違法な仕事をさせられているのだから無理もない。「こんな非合法なことはできない」と辞める別班員もいたようだ。