「最近は“ハーフ”のアスリートが増えてきている。日本の多様性というのがもっと広まっていったらいいと思います」

彼が語った“日本の多様性”とは何なのか。その真意について改めて聞いた。

「今の世の中は、そういう生き方を大切にする流れになっているので、聞かれたんだと思います。そもそも僕のように多様性を具現化したような人間の口から多様性という言葉は出てこないですよ。
世の中がそういう流れになり、多様性という言葉が強調されたりしているけれど、それを言わないと分からない人もいるはずです」


彼の言葉はさらに熱を帯びる。 「僕はこの日本で生まれて育って、柔道を始めて、今も日本代表として試合をしてる。もしこれがアメリカ生まれで、柔道もアメリカで始めて、実力があればアメリカ代表としてやってるでしょう。
だから俺は日本人だ、俺はアメリカ人だっていう、アイデンティティー的なものはないですね。もう本当に一人の地球人としてやってる感じです」