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中日は8日のDeNA戦(横浜)で逆転負け。今季ワーストタイの借金「21」を抱えるチームは、立浪和義監督(53)のブラックジョークも笑うに笑えないピリピリ感に包まれている。

相手先発のエース今永から初回、幸先良く5安打で4点を先制も、追加点を奪えないまま先発小笠原がリードを吐き出し7回途中6失点。いったん守勢に回ると硬くなった選手のミスが続出し、鼓舞しようとベンチから声をかける空気も今のチームにはない。「空気は最悪。選手同士で会話したら、『何しゃべってるんや!』と監督から怒号が飛んできますから…」とはチーム関係者。

この日の試合前にも、立浪竜のぎくしゃくを象徴する光景があった。炎天下の三塁ベンチ前で、西山バッテリーコーチのもと石橋康太捕手(22)、高卒1年目の山浅龍之介捕手(19)がワンバウンド処理の練習。その目の前に腰を下ろした指揮官が突然、「山浅、水分取るなよ!」と声をかけると、一瞬その場が凍り付いた。

気を取り直して練習を再開した山浅に対して西山コーチは、立浪監督が目を離したスキに「水を飲んでこい」とささやいて目くばせ。急ぎベンチ内で水分補給する姿に気づいた指揮官は、ニヤッと笑ってその様子を見続けたのだった。

立浪監督にしてみれば、学生時代から慣れ親しんできた後輩への古典的ないじり≠ナ、1軍経験の浅い若手と交流を図って距離を縮め、ムードを和ませようとの意図だったか。チーム関係者は「見ての通り、監督が冗談を飛ばしても受け止める選手やコーチとの温度差は大きい」と深くため息。「こんな状況でまともな意思疎通は困難です」との声には切実さがこもっていた。