一方


>不時着した2人のイギリス兵は、殺気立つ住民に恐怖を感じ山の奥の奥へと逃げ続けた。しかし2日後、その山を隔てた隣の川内村の住民に捕らえられる。

>村民が怒号で『この野郎!この馬鹿!』とか、棒で叩こうとした人もいました。(殺せという声も)ありました。それは当然です。でも私の目に映ったのは、恐怖に震える生身の人間だった。言葉にはできなかったけれど『可哀そう』と感じたのでしょう。憎いとは思いませんでした。そして、このあと2人は殺されたと思っていました」
>しかし、戦後63年経った夏、姉と甥(おい)からその後の話を聞いた。「捕虜を殺すことはできないんだ!」と2人を村民から引き離し、連行した役人が居たのだ。自分たちが襲った敵国で殺される恐怖を体験した2人の兵士...。捕虜になって終戦後母国に帰国した2人は、この村には命の恩人がいたと再会を願い続けていたという。