皇帝ヘリオガバルス(ウァリウス・アウィトゥス・バッシアヌス)は、元老院議員の父セクストゥス・ウァリウス・マルケルス(英語版)と母ユリア・ソエミアス(英語版)の子として203年にシリアのエメサ(現在のホムス)で生まれた[2][9]。

皇帝は、自らは女性であると宣言し、貧民出身の女性の従者を連れて公共浴場へ行っては女湯に入って、当然の如く女性と会話をし、一緒に脱毛を施していたという。

また、怪しげな者たちをベッドルームに連れ込んで淫行を繰り返した。密偵を放ち、力が強く、ペニスが巨大で容姿の整った男性を探させて宮廷に連れて来させ、情事を楽しんだ。

皇帝は女性として振る舞いながら全裸になり、片手を胸に片手を陰部に当ててひざまずき、哀れみを誘うように媚びて頬を擦り付け、男性に向かって尻を突き出して腰を前後運動させて顔を赤らめていたという。

皇帝は拘りが強く、敢えて男色に興味がなく、女好きな男を探し、自分を女として見てほしいと涙ぐみながら懇願し、無理やりではなく自分に興味を示した男にだけその身を捧げていた。[40]。

遂に皇帝は宮殿までも自らの情事の現場とした。宮殿の一室に性行為用の場所を用意して、そこを訪れる男に売春婦のようにその身を売った。ヘリオガバルスは売春婦がそうするように女性用の下着をつけて部屋の前に立ち、カーテンをつかんで男を待った。そして男が通りかかると哀れみを誘うような柔らかい声で甘えるのだった。皇帝の容姿、言動、性質はもはや男性とは言い難いものであった。[44]。