福岡ソフトバンクは1日、高校生ドラフトで3巡目指名した滋賀・近江高の伊奈龍哉外野手(18=182センチ、85キロ、右投げ左打ち)と滋賀県米原市のホテルで仮契約を結んだ。契約金5000万円、年俸600万円。高校通算74本塁打のスラッガーは、小川スカウト担当部長らを前に「背番号は55を着けたい」と堂々と宣言。王監督の年間本塁打記録の「55本」を超える意気込みをみせた。 (金額はいずれも推定)

 74本塁打を誇る長距離砲としての自負に、みじんの揺れもない。プロのユニホームに初めて袖を通したときの照れた表情とは対照的に、打撃の話になると自信満々だ。「野球をやっていて一番、気持ちいいのはホームラン。1年目からどんどんアピールしたい」と気の強さを垣間見せた。

 背番号「55」は現在、ソフトバンク野手最年長の大道が着けている。阪神の金本を尊敬し「プロの世界で太く長く」を狙う伊奈にとっては、大道もまた見習うべき師匠の1人。大道からの、こだわりの背番号“禅譲”を現実にするために、1日も早く実績を築く必要がある。

 甲子園出場直後の2年秋には滋賀県の秋季大会で、スコアボード直撃のライナー性の本塁打を放った。「高校生活で一番、記憶に残る本塁打。センターの頭を抜けたかな、と思ったら打球が伸びた」。地元新聞などにも取り上げられたという逸話のスケールの大きさは、伝説の名選手、中西太(元西鉄)級。「博多の怪童」「中西2世」の称号ゲットも虎視眈々(たんたん)と狙う。
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