■選手は「病気の母親に治療を…」と歓迎も

 ただ、この賞金で人生が変わる選手がいるのも事実だ。男子だったら、もらったカネで車や時計を買ったりするんだろうけど、女子選手は違う。

 例えば1次リーグで2ゴールを決めてチームをベスト16に導いた南アフリカのヒルダ・マガイアは、チームメートから「ブレッドウイナー(稼ぎ頭)」って呼ばれている。彼女のゴールのおかげで選手全員の賞金が3万ドル(約437万円)から6万ドル(約874万円)に倍増したんだからね。おカネの使い道を聞かれた彼女は「病気の母親に最適な治療と快適な家を買ってあげられる」と言っていた。

 また、ジャマイカのデネイシャ・ブラックウッドは「もう男性に頼らずとも生きていける。新しいスタートを切れる」とこう続けた。

「サッカーがうまくても、生活のために辞めてしまう選手が多かった。でもちゃんとおカネがもらえれば、もっと多くの女子選手が育ってくれるはずだ」

 それにしても困るのは、これからだろうね。ここまで風呂敷を広げちゃったFIFAはもう後戻りはできない。賞金やチーム数を増やすことはできても、減らすことはできない。そんなことをしたら、今回の試みは失敗ってことになっちゃうからね。これからFIFAの頭痛の種になるはずだよ。またどこかで会おうね! (おわり)