昇格即「1番・一塁」で先発出場。次の打者は大谷翔平投手だった。試合前、報道陣から「オオタニの前を打つ自分の姿を想像したか?」と聞かれると、思わず笑みがこぼれた。

「そうは言えませんね。ノーです。そういう予想はしなかったでしょう。ですが思いがけないことが起きるものです」

 吉報を受けた前日夜はまったく眠れなかったという。家族や友人は最初、シャヌエルの言うことを信じなかった。母親に電話をすると、起こしてしまったようで「『いいかげんにして』と言われてしまった」。友人たちも「何言ってんだ」と皆同じような反応。「少し説得する必要がありました」と苦笑いする。

 この日は家族や友人、ガールフレンドも球場に足を運んだ。そんな中で、2回の第2打席では四球を選び、続く大谷の43号満塁弾をアシスト。さらに、7回にはメジャー初安打を放つと、9回には守備で三重殺を完成させた。試合には敗れたものの、フィル・ネビン監督も「(三重殺を決めたのは)グラウンド上での意識が高いのと本能的な力がある証拠。彼にとってはいい初日だった」と絶賛。“ドラ1”の名に恥じない活躍を見せた。

 チームはワイルドカードでのプレーオフ進出圏内からは7.5差と苦しい戦いが続く。それでも試合後、「プロの野球がどういうものかを目の当たりにして、次の段階に進むために必要なことを見せてもらったのが大きい」と学びを崩さない。チームの“カンフル剤”として、新たな風を吹かせたい。

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